なたまめとは

■基本情報
なたまめのゆるキャラ・マメッチー
なたまめのマメッチー


蔓(つる)は高さが6メートルにもなり、童話「ジャックと豆の木」のモデルになった植物と言われています。
排膿、消炎作用が強力で鼻炎や蓄膿症、腎臓病などに効果のある生薬として親しまれてきました。ノンカフェインです。

<成分や効能・効果>はこちら

和名:ナタマメ
学名:Canavalia spp.
英名:sword bean
地方名・別名:タテハキ(帯刀)
分類:マメ科ナタマメ属
原産地:熱帯アジア、西インド諸島~中米
わが国への伝来時期:江戸時代
主な産地:中国、四国、九州地方
出回り時期:夏(若莢)、秋(完熟種子)



なたまめは食用や薬用目的で栽培されている、熱帯アジア原産のマメ科植物です。
他の植物にからみついて伸びる草本で、ヘソの長さは種子の4分の3。日本では中国、四国、九州地方で盛んに栽培されています。
日本への伝来は江戸時代頃とされています。別名タテハキ(帯刀)、刀豆、鉈豆、大刀豆、刀鞘豆、など呼ばれ、膿出しの薬として利用されてきました。

成長するとサヤの長さは約50センチほど、豆の大きさは約3~5センチと一般の豆に比べて大変大きくなります。
サヤや豆がそのまま一般市場に流通することはほとんどないため、その大きさもあって珍しがられますが、若いサヤをスライスしたものが福神漬けに入っているなど、意外と身近な植物です。
食用にする方法としては、福神漬けやなたまめ茶に加工するのが一般的です。



栄養と機能性について

なたまめの乾燥種子は約27%のタンパク質と42~57%の炭水化物を含んでおり、脂肪も約0.6%含まれています。
脂肪の多くはカナバリンで、コンカナバリンAおよびBやカナバニンも含まれます。
カナバニンを分解する酵素カナバーゼと共に、ウレアーゼ、アミラーゼ、ペクターゼ、リパーゼ、カタラーゼ、パーオキシダー等の酵素も存在します。

口臭が気になる方や、鼻の通りが悪い方、体の中にある嫌な物に困っている方 などに飲まれています。体にたまった嫌な物をスッキリする効果があるんですね。

参考:「地域食材大百科第1巻」(農文協)



◆なたまめの種まき/栽培/収穫時期
一般的に豆は土を元気にするといわれており、少し荒れた土地でも育ちます。門出豆は耕作放棄地をよみがえらせるのに最適の植物と言えるでしょう。


【 種まき時期 】
春から初夏頃までいつでも種まきできますが、発芽適温は20〜30度ですので、十分暖かくなってからまいてください。
発芽にはかなり高い温度が必要なので、寒い地域ではなるべく遅くまき、トンネルやフレームなどで適温を保つようにしてください。
うね巾60cm、株間30cm位に1〜2粒点まきします。覆土は1cmくらいにし、厚く覆いすぎないようにします。
また、種皮が硬いので、種まきの前に、一晩水につけて吸水させてからまくと発芽しやすくなります。
肥料は、堆肥・油粕・化成肥料等を施します。

【 栽培 】
太陽光と水をたっぷり与えればぐんぐん育ちます。水が少なかったり日陰の場合は育ちが悪くなります。
発芽後は支柱等に這わせて栽培してください。
莢(さや)がたいへん大きく、つるもよく伸びますので、支柱は2m以上のものをたて、ネット等に這わせてください。
育ってくるまでは雑草に栄養を摂られないよう草取りをしてください。刈った草を土の上に敷いておくことで除草効果と湿度を保つ効果があります。
花芽が出て、花が咲くまでは特に水不足に注意してください。
花が咲かないと着果しないので気をつけましょう。花の付き過ぎも栄養が行き渡らなくなるので場合によっては間引きをします。

【 収穫時期 】
植える時期にもよりますが、主に10月〜12月頃で、肌寒くなる頃まで収穫可能です。

(種まきも収穫も日照や気温条件などが整えば、これに限りません。)
なたまめ普及会では、門出豆種の入手や栽培方法に関するアドバイスをおこなっております。詳しくはこちらへ。

■なたまめ摂取に関する注意
なたまめをそのまま食するには、花や若い莢(さや)であれば問題ないのですが、完熟した豆は、大豆や落花生などと同様、生食では下痢や腹痛を起こしますので前処理が必要です。
若い莢(さや)は、みなさんご存知の「福神漬け」に入っています。完熟した豆も莢(さや)も茎も摂取できるのは「なたまめ茶」です。様々な効能がある健康茶として人気です。加工処理(洗浄・加熱、焙煎等)がされているから安心です。

<成分や効能・効果>はこちら

● なたまめ知識 ●
1. 福神漬けに入っている!
福神漬けに入っている、あのひょうたんみたいな形をしたコリコリしたものです。

2. 「ジャックと豆の木」のモデルになった植物!
あの有名な絵本「ジャックと豆の木」の題材となったのが門出豆である「なたまめ」と言われています。
空に向かってぐんぐん伸びていく姿を見ると、雲の上に届く木のモデルになったといっても納得できますね。
子どもに話して聞かせるにも、その「本物」を見せてあげられるというのは非常に有意義です。幼稚園や小学校などの食育教材としてもおすすめです。

3. 縁起物としても愛される作物
花が絶えることなく咲く姿や、長いつるが上に伸びて、下に戻っている姿から、鹿児島県では旅立ちの縁起物や、家内安全の祝い物として利用されているそうです。

4. 赤穂浪士も食べた味?
あの赤穂浪士が縁起を担いで、門出豆の漬物を食べてから討ち入りに向かったとも言われています。

5. 大きさ・さやと豆の数
なたまめは、紐でも棒でも支柱となる物があればぐんぐん伸びていきます。
さやの大きさは30〜50mほど。さやの数は1つの苗から10ほど。さやの中の豆の数は5〜15粒。豆の大きさは3〜5cmと大粒です。

6. 食べ方・お味は?
なたまめの若いサヤ(10〜20センチまでのもの)は、塩漬けや味噌漬け、ゆがいたものをスライスしてサラダなどでお楽しみいただくことができます。そらまめのような味です。
ただし、成熟した豆には強いアクがあるため、そのまま食べると吐き気や下痢、腹痛を引き起こします。食用にするには何度もゆでこぼす等の慎重な処理が必要になるため、ご自宅での調理はおすすめしておりません。
加熱・焙煎したなたまめ茶など、加工したものなら安心です。
 →詳しくは「なたまめの食べ方」  

もっと詳しく知りたいなら…
 →なたまめの「もっと詳しく!」