なたまめ「もっと詳しく!」

なたまめの歴史

熱帯アジアか熱帯アフリカ原産とされ、
アジア及びアフリカで食用や薬用のため栽培される。
日本には江戸時代初頭に清から伝わった。

中国では古くから生薬として重宝されてきました。
明の時代に本草学者「李時珍」により編纂された書籍「本草綱目」の
中で、「腎を益し、元を補う」と記されています。
ここでいう「腎」とは生命エネルギーの源である「気」を蓄えておく
臓器を意味します。
この「腎」の機能を高めて、病気に負けない免疫力をもたらす
生薬としてなた豆が紹介されています。

参考文献:国立国会図書館デジタルコレクション「本草綱目」 第17冊
       コマ番号59-60「刀豆」

日本では、なたまめは縁起の良い食べ物として考えられており、
『福神漬け』明治時代初頭、東京・上野の漬物店「山田屋」
(現在の酒悦)の店主・第15代野田清右衛門が、自分の経営する
茶店で売り出したところ評判となり、これを大いに気に入った当時の
流行作家「梅亭金鵞」が、7種類の野菜を使用し店が上野不忍池の
弁才天近くにあった事から七福にちなんで「福神漬」と命名されたと
言われています。
この「七福」のうちのひとつになっています。

また、薩摩(九州)では江戸時代から栽培が盛んで、
NHK大河ドラマ『篤姫 』にて、薩摩藩藩主(現在の長崎県)「大山綱良」
が、1855年江戸詰めを命じられた薩摩藩士(現在の鹿児島県)
「小松清廉(帯刀)」に長旅の無事を祈る餞別として送られています。
そのため、新年や入社・入学といったお祝いの席や新たな門出の席に
食べられるという文化を普及していこうと考えています


なたまめの成分

なたまめの主な成分は、食物繊維/36.9% と たんぱく質/25% です。
その他は、人間の健康維持にとって重要な「ミネラル分」です。

カルシウム/390mg 鉄分/13.7mg ナトリウム/6.04mg
マグネシウム/169mg リン/435mg カリウム/1.04%
タンニン/1.68% 亜鉛/31.3ppm
(ナタマメ100g中の主成分/日本分析センター調べ)

「カナバニン」
たんぱく質の中のアミノ酸のひとつ。
なたまめの正式な学名「Canavalia gladiata DC」にちなんで命名
された、なたまめから初めて抽出された成分です。
排膿作用、抗炎症作用、血行促進作用などが最近の研究にて
解明されています。

1929年(昭和4年)日本農芸化学会誌にて第一報が発表されています。

「コンカナバリンA」(con A)
たんぱく質の一種で、1919年 J.B.Sumner により世界で始めて
精製、結晶化された植物性の赤血球凝集素です。
1969年に悪性化細胞を凝集することが発見され、ガン化などの
各種細胞現象における細胞表層複合糖質の役割として
レクチン(con A等)が検索手段として利用されるようになりました。

豆類やジャガイモなどの野菜に含まれている「レクチン」は、
細胞を包んでいる膜の表面にある「糖」に結びつき、
この細胞を活性化させて、凝集・沈殿させます。
その結果、有害な細菌などの微生物にダメージを与え、
体内で増殖するのを防ぎます。
 レクチンの作用を受けた細胞は、免疫の機能を高めてくれます。

漢方では温裏・止嘔・補陽の効能があるといわれ、しゃっくりや嘔吐、
下痢、腰痛などに用いられます。
日本の民間では膿とりの妙薬といわれ、蓄膿症や歯槽膿漏、
痔漏などに用いられてきました。

「ウレアーゼ」
1926年に J.B.Sumner が初めてなたまめから結晶化することに
成功した、主成分がタンパク質の酵素。
尿素を二酸化炭素とアンモニアに分解する働きがあります。
現在、胃の中の「ピロリ菌」の検査に使用されています。

体内の水分をろ過して排出する「腎臓」。この中にも「ウレアーゼ」が
あり、正常な腎臓ではしっかり「ウレアーゼ」が働いてくれています。
この機能が低下すると、むくみや関節痛、高血圧といった症状が
現れます。
外部から摂取することで腎臓の機能を改善してくれる作用があります。

なたまめの「歯磨き粉」

今も愛用されている方が多い人気商品。
主に口臭予防をうたっているものが多いですが、
口臭の元は口内の膿が原因だったりします。
排膿作用が直接歯茎に効いてくるので、ぴったりですね。

では、何がいい商品なのか。ちょっと調べてみました。

1.界面活性剤や保存料が気になる?
  どうしても口に入れるものですので、少量とはいえ胃に入ります。
  胃荒れの原因としてこれらが入っている歯磨き粉…なんてことも。
  気になる方は入っていない商品を探してみましょう。

2.しょっぱくても大丈夫?
  気になるお味。昔から塩で歯を磨くといい、なんて言われますが、
  苦手な方もいらっしゃるでしょう。
  内容量に「塩化ナトリウム」の表記があるかどうか調べましょう。
  要するに「塩」です。入ってたら多分しょっぱいです。

3.結局何がいいの?
  個人差がありますので、一概にどう、とは言えませんが、
  「薬用」の表記や「フッ素配合」の表記があるない等、
  個人の好みに応じて選んでみましょう。
  (因みに私は理由あって「フッ素配合」というものを使用しています。)

なたまめ成長記

種まき~発芽
 種は春ごろから蒔きます。4月下旬~6月下旬までが適当です。
 ポットやプランター等の可動式なものでしたら、なるべく日中に
 気温が上がる場所へ置いてあげましょう。
 種自体はすごく丈夫で、数ヶ月常温で放置していても芽が出たり
 します。
 連作障害を起こしやすいので、前回マメ科の植物を植えた土の場合、
 土を変えてあげたりする必要があります。

 発芽の適温が20℃~30℃と高温で、植えてから気温が上がってくる
 夏中に芽が出ます。水やりは土が乾いたらたっぷりあげます。
 ただ、あげすぎると種が腐ってしまいますので注意しましょう。

植えつけ~成熟
 芽が出た後、葉っぱが4,5枚出来たら植えつけます。
 根っこがすごく伸びるので、プランター等で栽培する場合は、
 なるべく大きなものを選ぶほうがいいです。
 20~30cmほど伸びたら、きゅうりのような感じで支柱やネットを
 設置します。
 ただ、きゅうりと違ってつるがものすごく伸びますので、
 ネットの場合はグリーンカーテンを作る感じで、
 支柱を立てる場合は2m以上のものを用意してください。
 また、実が成りますと多いときで10本以上なるため、重さで支柱が
 倒れないようにしっかり固定してください。

 育ってくるまではどんどん栄養を吸収します。
 6月くらいからふた月に一度程度、肥料を蒔いてあげます。
 また、雑草に栄養を摂られないよう草取りをしてください。
 刈った草を土の上に敷いておくことで除草効果と湿度を保つ効果が
 あります。
 花芽が出て、花が咲くまでは特に水不足に注意してください。
 花が咲かないと着果しないので気をつけましょう。
 花の付き過ぎも栄養が行き渡らなくなるので場合によっては間引きを
 します。
 
 プランターで栽培する場合、大きくなりすぎる場合があります。
 つるをこまめに摘み取る等、しっかりお世話してあげてください。
 縦に伸びすぎた場合は、ばっさり切り取ってしまいましょう。
 また、ネットを横に伸びてつる同士が絡まることもあります。
 葉っぱも大きくなるとかなりの重量になりますので、
 プランターが倒れないように調整してください。

収穫
 食用とする場合は、緑色のさやが10cm程度になったら収穫します。
 すぐに大きくなってしまいますので、採り遅れないようにしましょう。
 もっと大きくなりますと、さやに毒性が強くなってきます。
 こうなると調理法が難しくなりますので、注意が必要です。

 種を収穫する場合は、さやが茶色くなるまで待ちます。
 10月中旬~12月上旬に、さやを持って振ったときに
 さやの中の種が「カラカラ」と音を立てます。
 そうしたら収穫して種を取りましょう。
 さやは非常に硬いので、一度乾燥させてから割ると採りやすいです。
 この種もさやと同様に毒性がありますので、調理する場合は
 十分注意してください。
 自家焙煎してお茶にするといいかもしれませんね。

 種は非常に丈夫なので、乾燥した茶色い種を半年後
 少し水に戻して植えても芽が出たりしますので、
 また植えたい場合は種を保管しておきましょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿