「 刀豆の 鋭きそりに 澄む日かな 」
川端茅舎が昭和9年に詠んだ俳句で、
「華厳」龍星閣(昭和14年)に収録されました。
江戸時代に九州へ伝わったとされています「ナタマメ」。
食用として全国各地へ広まっていく一方、
薄紫や白の綺麗な花を咲かせ、見るものを楽しませてきました。
江戸中期の俳人「与謝蕪村」の句にも登場しており
「華厳」龍星閣(昭和14年)に収録されました。
参考:近代デジタルライブラリー
江戸時代に九州へ伝わったとされています「ナタマメ」。
食用として全国各地へ広まっていく一方、
薄紫や白の綺麗な花を咲かせ、見るものを楽しませてきました。
与謝蕪村(呉春作)
「 なた豆や 垣もゆかりの むらさき野 」
薄紫の花を題材に詠っています。
蕪村筆 俳画 自画賛(岩くらの狂女恋せよほととぎす)
季語として認識され、季節は「秋」。
サヤが大きく成長し、収穫期を迎える頃です。
一面に実る大きなナタマメのサヤを見て感嘆する句もあります。
「 鉈豆の 垣かたむけて たれ下り 」
西山泊雲(明治10年-昭和19年)の詠った句です。
近年の外来種なため江戸以前のものはさすがに存在しませんが、
多くの歌人を驚かせ、好まれる植物であったようです。
このほかにも多くの俳句が詠まれています。
江戸~昭和に俳人に愛されたナタマメを、もっと深く見つめて
花を咲かせる夏、実りの秋を彩る植物として
これからも愛して、愛されていってほしいと思います。
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